民法 第五節 同時死亡の推定
第三十二条の二 数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。
同時死亡の推定は、親と子が災害などに巻き込まれて、死亡した場合、どちらが先に死亡したのか分からないという場合に、適用されるものである。
どちらが先に死亡したかというとは、相続において重要になる。
以下の家族構成で考えよう。
両親
↓
甲ー乙
↓
丙
甲乙夫婦には、子丙がいる。甲の両親も健在である。甲は土地た鋳物を含む財産を保有している。一方、丙にもお小遣い程度ではあるが貯金がある。
この家族の中で、甲と丙が災害に巻き込まれて死亡した。
もしも、甲が先に死亡したとすると。甲の財産は、民法の規定により、妻乙が2分の1と子丙が2分の1受け継ぐことになる。
その後、丙が死亡することで、全財産が妻乙のものになる。
逆に、子丙が先に死亡していたとすると、子の丙の財産を甲乙が2分の1ずつ相続し、その後、甲が死亡した後に、甲の財産は、妻乙が3分の2、両親が3分の1受け継ぐことになり、妻乙としては受け継ぐことのできる財産が減ってしまう。
親子で災害などに巻き込まれた場合には、どちらが先に死亡したかは不明確な場合が多い。しかし、相続財産については、重大な影響を及ぼすことになるので、同時死亡の推定という規定をおいた。
同時死亡の推定が適用されると、以下のように処理される。
<甲の財産について>
両親
↓
甲ー乙
甲の財産の相続については、子である丙ガ最初からいなかったものとして扱う。そのため、甲の財産は、妻乙が3分の2、両親が3分の1相続することになる。
<丙の財産について>
両親
↓
ー乙
↓
丙
丙の財産については、甲がいないものとして扱う。そのため、乙のみが、相続することになる。
※参考条文
(法定相続分)
第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
以上。今日は同時死亡の推定についてでした。同時死亡の推定は、そういう制度があるということだけでなく、具体的にどのように相続されるのかということも抑えておくようにしましょう。
以上、民法総則 失踪宣告の効果についてでした。
この記事は、ゼロニュース 民法総則 同時死亡の推定より提供されています。
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