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2008年05月28日

虚偽表示、きょぎひょうじ(民法94条)その2 第三者の範囲

(虚偽表示、きょぎひょうじ)
第94条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

乙→←第三者

甲の土地

2項は、乙の手に渡った土地を、甲と乙の間の謀議を知らない第三者が、購入した場合は、甲と乙の間の売買契約が無効だから、買うことができませんよと第三者に対して主張することができないということです。
なぜ、第三者に対してこれほどの保護を与えたのかというと、まず第一に、甲と乙が自ら進んで、虚偽の外観を作り出したということは、自業自得だということがあげられる。第二に、善意の第三者を保護しなければ、取引の安全が害されるということもあります。

・では、以下のような場合はどうなるでしょうか。
乙→←丙(悪意)→←丁(善意)

甲の土地

第三者である丙は、甲と乙の売買が虚偽表示であることについて悪意であった。94条2項によれば、第三者は、善意でなければ保護されないので、丙が、保護されない、つまり、甲は、依然として、丙に対して、土地を返還するように要求することができることになる。
では、丙が善意の丁に対して、土地を売却してしまった場合には、丁は保護されるのだろうか?

※法律用語の確認 善意→知らない 悪意→知っている

第三者の範囲はどこまで広がるのかという問題です。
結論から言うと、第三者というのは、売買の当事者から、直接取得した者だけではありません。第三者から取得した者、上記の例では、丁も、第三者として扱われます。
ですから、丁が善意であるならば、丁は、94条2項の第三者として保護されることになります。

・では、以下のケースではどうなるでしょうか。
乙→←丙(善意)→←丁(悪意)

甲の土地

第三者である丙は、甲と乙の売買が虚偽表示であることについて善意であった。善意の丙が94条2項で保護されるということは言うまでもない。しかし、丙から土地を取得した丁は、甲と乙の売買が虚偽表示であることについて悪意であった。この場合、丁は、94条2項の第三者として保護されるのであろうか?

考え方は、二つあります。

まず、「絶対的構成」という考え方
取引の安全を重視し、いったん、善意の丙の手に土地がわたっている以上、甲は、もはや誰に対しても文句が言えない。つまり、丁に返せと要求することはできないという考えです。

なぜか? 以下の図をご覧ください。
丁→(売買代金の返還請求)→丙→(同)→乙→(同)→甲
↓返還
甲 甲の土地

もし、仮に、甲が丁に対して、土地を返還するように要求できるとすれば、丁は、丙に対して、土地の売買代金を返還するように要求することができるからです。(民法561条) もちろん、丙も乙に対して、返還請求することができますが、大変な手間ですし、乙が無資力になっているかもしれないというリスクも負うことになるわけです。
これでは、善意の第三者を保護する意味がなくなってしまいますから、善意の丙の手に土地がわたっている以上、甲は、土地を返すようにということを、丙に対してはもちろんのこと、丁に対しても返還要求することができないということになります。
甲としては、善意の丙に土地が渡った時点で、あきらめたはずであり、その後、たまたま、悪意の丁の手に渡ったからといって、甲の返還要求を認める必要もないわけですから、絶対的構成が妥当といえるでしょう。

一方、絶対的構成に対して異議を唱えるのが、「相対的構成」です。
すなわち、94条2項の第三者は、一人一人判断するべきであり、善意の丙は保護されるにしても、悪意の丁は、保護するべきではないという考え方です。

もしも、善意の丙に渡った時点で、甲が文句をいえないということになると、甲の土地を取得したいと思っている悪意の丁は、善意の丙をあたかもわら人形のようにはさむことで、その目的を成し遂げてしまうことができることになる。
例えば、悪意の丁が、甲乙の虚偽表示について善意の友人丙に「後で、自分が買うから、とりあえず、土地を買っておいてくれ」と頼んで、丙が土地を買うだけで、丁も第三者として保護されてしまうことになるわけです。
これでは、道徳的に考えても妥当ではないということで、第三者については、個別に判断していく必要があると解することになります。

絶対的構成、相対的構成は、試験でもよく出題される分野です。しっかり勉強しましょう。

以上、今日は、94条2項の第三者の範囲についてでした。

この記事の続きは、虚偽表示、きょぎひょうじ(民法94条)その2 第三者の範囲でご覧ください。

※上記、続きはこちらへのリンクが切れている場合は「資格を取ろう!・試験情報」から探してください。

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posted by 口コミニュース at 21:39 | 民法の勉強